▍枇杷葉療法のいろいろ

▍ビワ葉エキス療法

「ビワ葉エキス」は医薬品のほか化粧水、洗顔料、シャンプー、入浴剤などにも配合されていることからわかるように、幅広い活用が可能です。半永久的に保存のきくエキスをつくって常備しておくと、いざというときに大きな力を発揮してくれます。

 

▍うがい法および点鼻薬法

のどや鼻の奥が痛むときにおすすめです。

  • 焼酎エキスをビワ茶で4~5倍から6~7倍に薄めて、温かめの温度でうがいをします。
  • いくらか残しておいた液を鼻から左右3~4回ずつスポイトで入れます。

▍吸入法

市販の吸入器を使い、のどが痛む、咳やたんが出るといった場合に行います。

  • 焼酎エキスをコーヒーのフィルタ紙などでこします。
  • エキスを水またはビワ茶で4~5倍から6~7倍に薄めて吸入器に入れます。小さいお子さんやお酒の苦手な方は、さらに薄めるか、エキスを入れずビワ茶やビワ葉湯だけを薄めずに用いてもOKです。
  • 症状にあわせて1日2~3回吸入します。ビワ葉温圧の合間に行うとより効果的です。


▍湿布法

神経痛や関節痛、筋肉痛、こり等のほか、内臓系の不調など、何にでも応用できます。

  • おしぼりタオルを熱いお湯にひたし、適当に絞ります。
  • タオルにエキスをふりかけて患部に当てます。当てるときは火傷しないよう温度に充分注意してください。

▍塗布法

口内炎や歯茎の炎症、のどの腫れや痛み、切り傷、すり傷、虫さされなどに対して行います。

  • 綿棒にさらに脱脂綿を少し巻きつけ、エキスに浸します。
  • 患部に数回押し当ててください。様子をみながら2~3日続けます。子どもの場合は、ビワ茶で適当にエキスを薄めて用いてください。

 



▍ビワ葉湯

「ビワ葉湯(びわようとう)」とはビワ葉を煎じたお茶のこと。古くから庶民に愛飲されてきました。保健飲料として、またほかに点眼薬、点鼻薬、うがい薬、皮膚の荒れやかゆみを抑える塗り薬としてなど、今でも広く用いられています。

 

濃いめに煎じ出して冷蔵庫に入れておくと1年経っても変質しません。しかし飲用の場合は沸かしたてがもっとも美味です。まったくくせがなく、どなたでも抵抗なく飲んでいただけます。

 

▍ビワ葉湯のつくり方

 

(1)ビワ葉エキスと同じようにビワ葉を洗って4~5センチ幅にザクザク切ります。

 

(2)2リットル入りのやかんに水を八分目ほどと、ビワ葉10枚分くらいの(1)を入れ、7~8分間煮立たせます。

 

(3)翌朝もう一度火にかけ、煮立ったら吹きこぼれない程度に火を弱め、20~30分間煮出すと紅茶色のきれいなビワ葉湯ができあがります。

 



▍枇杷葉のお風呂

「ビワ葉のお風呂」に入ると肌がスベスベし、からだが芯から温まります。皮膚のトラブル、ひどい日焼け、赤ちゃんのあせもやただれなどに用いられるほか、冷え症対策としてもおすすめです。

 

(1)洗ったビワ葉を3~4センチ幅にザクザクと刻みます。

 

(2)日本手ぬぐいを袋に縫い合わせた中に(1)を150~200g入れ、お風呂を沸かすときに水から入れておきます。

 

(3)1日目はあまり出ませんが、3日くらい経つと風呂のお湯がきれいな紅茶色に染まります。

 

(4)1週間~10日間ほど、葉と風呂水を補給しながら入ってください。

 

ビワ葉には雑菌や化膿菌を殺す力がありますので、交換しなくともお風呂の水はくさくなりません。

 

▍金地院療法

「金地院(こんちいん)療法」とは、静岡県引佐郡細江町にある金地院という禅寺において、大正年間から昭和にかけて当時の住職だった河野大圭(こうのたいけい)師が行った療法で、これにより病気に苦しむ20万人以上の人々が救われたと言われています。

 

(1)成熟したビワ葉に経文を書き、表側を焦げない程度に火であぶり、中表に2枚合わせて両手で10回ほどすりあわせます。

 

(2)(1)を1枚ずつ手に持ち、はじめは下腹部に当てて10回ほど強く押しては撫で、場所を移して同じように10回ほど押擦します。これを繰り返し、腹部だけで5~6分行ってください。

 

(3)次に(2)の行為を背中で行います。肩から腰にかけての背骨の上、およびその両側を10分くらい押擦ししてください。

 

(4)最後に、やはり同じ行為を患部で行います。

 



▍枇杷葉養生茶

伝統的なビワ葉湯の風味を近代的製法でお届けする、ティーバッグタイプの「ビワの葉のお茶」。添加物は一切不使用。クセのない味ですので、お子様からお年寄りまで、どなたでも安心してお飲みいただけます。

 

▍その他

頭痛や腹痛、肩こりなどのときは、患部に生葉を貼っておくだけでもラクになります。葉の上にラップを重ねると長時間葉が乾きません。

 

「ゆでコンニャク療法」「焼き塩療法」というのもあります。ビワ葉の表を下にして患部に置き、その上にゆでコンニャクか焼き塩をのせておくものです。血行不良から起こる冷えや痛み、内臓の不調などに用いられます。